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母愛用のヘンケルスの料理ばさみ

母愛用のヘンケルスの料理ばさみ_f0070546_18533843.jpgドイツのゾーリンゲンと言えば、日本でも刃物の町として知られ、その中でも創立270年以上の伝統をもつヘンケルスといえば、良質の包丁のメーカーとして知られています。

包丁だけでなく、世界初の料理ばさみは「ツヴィリングJ.A.ヘンケルス社」が1938年に誕生させたのだとか。

伝統の技と考えぬかれた料理ばさみの形状は今も変わらず、材料から製造までを一貫生産し、優れた品質が特長で、栓抜き・ネジ蓋開け等の機能も付いた便利グッズです。

この料理ばさみは永年の母の愛用品でしたが、発病してから、たくさんのものをなくすようになり、このはさみも紛失してしまいました。

でも、本当に切れ味が抜群によく、たとえば、皮付きの鶏肉だって、
スイスイと切れてしまう。こんなに切れるはさみはほかになく、
また買いたいなあと思いつつ、別にはさみを持っていたので、
同じように切れないことを呪ったりしながらも、特に道具にこだわらない
アバウトな性格なので、そのままにしていたのでした。

が、先日、デパートに用があって立ち寄ったとき、ヘンケルスの
キッチンウエアのバーゲンをやっていたのです。

「おおっ、もしかして…」と思って近寄ってみると、母愛用の
料理ばさみがバーゲンになっています。

多分、もとの値段は6300円くらいだと思いますが、
それが4800円だったのです。

「これはー」と思い、早速、買いました。

母が使っていたのと同じブルーを(私は色なしが好きですが)。

使ってみると、やっぱりよく切れる。これはとっても快適です。

デザインはクラシカルなので今ひとつな気もしますが、
この切れ味はやっぱり、永年使っていた感覚を思い出し、
なんだかストレス解消ってな感じです。

調べてみると、このはさみの刃には、微細な波刃加工(=マイクロ
エッジング)が施されていて、スムーズな切れ味はそのままに、
食材をしっかりホールドするための、ヘンケルスならではの工夫とか。

また、切れ味の決め手となる焼き入れに「フリオディア」と呼ばれる
3段階の熱処理を施し、切れ味の持続性・耐久性・耐触性の優れ、
最高の切れ味を実現していると…うむうむ。やっぱりなあ。

改めて、母がいいものを使っていたんだなあと感心します。

料理を教え、研鑽も積んだ母。さまざまな情報を得ていたことが
推察されますが、今は何もかもを手からこぼれ落としてしまいました。

母が母らしく生きていたことを忘れないために、この料理はさみを
母の使っていたものとして、大事にしていこうと思うことでした。
by r-work | 2006-11-03 19:11 | 語り時
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